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仕事の経験はあるけれど、AIはまだ使っていない方へ。その経験がAIを使うときの強みになる理由と、最初に試せる方法を書きました。

資料とノートパソコンを囲み仕事について話す三人
資料とノートパソコンを囲み仕事について話す三人

「AIを使っていないから、もう遅い」

もし、そう感じている人がいたら、僕はむしろ逆だと思っています。

僕は毎日何時間も、多い日には10時間以上AIを使っています。そんな生活を2年以上続けてきました。

それでも最近、これからAIで仕事を大きく変えられるのは、僕のようにAIばかり触ってきた人ではなく、いま自分の仕事にAIをほとんど使っていない人ではないか、と考えるようになりました。

僕が思い浮かべているのは、一つの仕事を長く続けてきた人です。お客様の反応を見てきた人。失敗を重ねながら、自分なりのやり方を見つけてきた人。そういう人は、AIへ渡せるものをすでにたくさん持っています。

AIへの頼み方は、少しずつ簡単になっている

少し前まで、AIから良い答えをもらうには、長くて細かい指示を書くことが大切だと言われていました。

役割を決める。作業の順番を書く。答えの形を指定する。僕も、どう頼めば思ったものに近づくのか、何度も試してきました。

もちろん、仕事の背景や、変えてほしくない条件を伝えることは、いまも大切です。

ただ、最近のAIは、短い言葉から始めても、こちらの目的を考えながら進められるようになってきました。

この資料を読みやすくしてください。

このアイデアを、サービスの案内にしてください。

最初は、このくらいの頼み方でも構いません。情報が足りなければ、AIに質問してもらいながら進めることもできます。

そうなると、長い指示を書けることだけでは、大きな差になりにくくなります。AIに詳しくない人でも、普段の言葉で使い始められるからです。

材料が少なければ、答えもぼんやりする

AIは、何も伝えなくても、それらしい文章や企画をすぐに作ってくれます。

でも、返ってきたものを読んで、「きれいだけれど、自分の仕事には合わない」と感じることがあります。

AIが悪いわけではありません。その仕事について考えるための材料を、こちらがまだ渡していないからです。

AIは、あなたのお客様がどんな言葉を不安に感じるのかを知りません。以前どんな提案がうまくいかなかったのかも、現場でどの作業を省くとあとで困るのかも、こちらから伝えなければ分かりません。

材料が少なければ、多くの人に当てはまりそうな、ぼんやりとした答えになります。

反対に、自分の経験を少し加えるだけで、答えは仕事に合ったものへ近づきます。

仕事の経験は、AIへ渡せる材料になる

営業を長くしてきた人なら、お客様がよく迷うところや、提案書に書くと警戒される言葉を知っているかもしれません。

お店を続けてきた人なら、常連のお客様が楽しみにしているものと、何度知らせても反応が少ないものの違いを知っています。

日々の業務を支えてきた人なら、手順書には書いていなくても、「ここを飛ばすと、あとで大変になる」という順番を持っています。

こうしたことは、AIの使い方を学ぶだけでは身につきません。お客様との会話、失敗した提案、何度も直した資料、現場で起きた問題の中で覚えてきたものだからです。

AIは、その経験を整理したり、文章や資料にしたり、別の案を考えたりするのを手伝えます。

AIに何もないところから価値を作ってもらうのではなく、自分がすでに持っているものを、使いやすくしてもらう。僕は、こちらの方がAIを仕事に取り入れやすいと思っています。

同じ仕事を、二度頼んで比べてみる

AIを仕事に取り入れるために、最初からたくさんの機能を覚える必要はありません。

今週、自分が実際に作るものを一つ選んでみてください。お客様への案内文、社内で使う資料、商品の説明、次の企画など、普段の仕事で構いません。

まずは、短く頼みます。

新しいサービスの案内文を作ってください。

返ってきた文章は、そのまま残しておきます。次に、自分の経験から三つだけ加えます。

  • お客様から、実際によく聞かれること
  • 過去に使ってみて、自分の仕事には合わなかった言葉
  • 今回、一番伝えたいこと

たとえば、次のように伝えます。

お客様からは、申込み後に何を準備するのかをよく聞かれます。「誰でも簡単にできます」という言葉は、僕のサービスには合いません。今回は、相談しながら内容を決められることを一番伝えたいです。この三つを入れて、もう一度書いてください。

最初の文章と、経験を加えたあとの文章を比べます。

何が変わったのかを見ると、自分の経験をどこでAIに渡せばよいのかが、少し分かってきます。ここが、自分の仕事でAIを使い始める入口です。

実際のお客様の情報を使うときは、名前や連絡先など、その人が分かる内容をそのまま貼らないようにしてください。仕事に必要な部分だけを残します。

AIを勉強してから、仕事に使わなくてもいい

いまAIを使っていないことは、必ずしも遅れではありません。

大切なのは、AIの機能をすべて覚えることではなく、自分の仕事についてAIへ何を伝えられるかです。

長く仕事をしてきた人ほど、伝えられることがあります。AIを使いながら、「これは違う」「お客様はここで迷う」「この順番は変えられない」と直していく。そのやり取りの中で、自分に合う使い方が見つかります。

僕もこれから、AIを長く使っていること自体を競うより、それぞれの仕事で経験を積んできた人が、その経験をAIと一緒に使えるようにする仕事を増やしたいと思っています。

僕がその人の業界のプロになる必要はありません。その人がAIの専門家になる必要もありません。

お互いが知っていることを持ち寄ればよいのだと思います。

まずは今週の仕事を一つ選び、自分の経験を三つ加えて、AIへもう一度頼んでみてください。


自分の仕事なら、どこから試せるか迷っている方へ

「オンライン実務パートナー」では、AIの機能を順番に覚えるのではなく、普段の仕事を聞くところから始めます。文章、資料、発信、日々の作業などを一緒に見ながら、AIを使えそうなところを探します。

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