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副業づくりの事例 03売れるものから探す

英語は得意じゃなかった。訪日外国人向けの街歩きが、本業の候補になるまで

今回ご紹介するのは、20代後半の女性です。

平日は会社員として働いていて、副業を始めるまでは観光業の経験もありませんでした。大学で英語を専門に勉強していたわけでもなく、留学経験もありません。

ただ、海外旅行は好きで、年に1回くらいは休みを取って海外へ行く。英語ももう少し話せるようになりたくて、数年前から趣味でオンライン英会話を続けていました。

ペラペラというわけではありません。

海外旅行でホテルにチェックインしたり、レストランで注文したり、簡単な会話を楽しんだり。そのくらいです。

そんな彼女が副業を考えるようになったきっかけは、自分の過去の経験ではなく、街を歩いている外国人旅行者の多さでした。

「これだけ日本に外国人が来ているなら、ここには仕事があるんじゃないか」

そう考えたところから始まっています。

自分に何ができるかより、まず「何が求められているか」を見てみる

副業というと、自分の資格や職歴から考えることが多いと思います。

「私は事務だから、事務の副業」

「営業をしているから、営業代行」

という考え方ですね。

もちろん、それも1つです。

でも今回は逆でした。

まず、今どこに人が集まっていて、何にお金が使われているのかを見る。

外国人旅行者が多く訪れている。

日本でしかできない体験を探している人もいる。

現地の人と街を歩いたり、食事をしたりする体験にもお金を払っている。

だったら、自分にも何かできないだろうか。

そこから、自分が持っているものを当てはめていきました。

英語は少し話せる。

外国人と話すことにはそれほど抵抗がない。

海外旅行が好きなので、旅行者が知らない土地で不安になる感覚も分かる。

東京に住んでいるので、普段から電車にも乗るし、お店も知っている。

それなら、いきなり本格的な観光ガイドを目指さなくても、外国人旅行者と一緒に街を歩くことならできるかもしれない。

そう考えました。

最初から「東京を案内します」にはしなかった

とはいえ、東京ならどこでも案内できます、というのはさすがに無理があります。

歴史に詳しいわけでもありません。

神社やお寺について専門的に説明できるわけでもありません。

だから最初は、自分がよく知っているエリアだけに絞りました。

例えば、浅草から上野周辺を3時間ほど一緒に歩く。

有名な場所を回るだけではなく、電車の乗り方や、コンビニで買えるもの、飲食店での注文の仕方、日本で旅行するときに知っておくと便利なことなども話します。

「歴史を詳しく解説するガイド」というより、

初めて東京へ来た人と一緒に街を歩く、日本人のローカルホスト

に近いイメージです。

最初の料金も、それほど高くは設定しませんでした。

まずは実際に外国人を案内してみて、自分が本当にできるのか確かめるところからです。

初めて案内して分かったのは、英語より別のことだった

最初の予約が入ったときは、かなり緊張したそうです。

「聞き取れなかったらどうしよう」

「説明できない質問をされたらどうしよう」

と、前の日まで英語のフレーズを調べていました。

実際、分からない単語も出てきました。

うまく説明できず、スマートフォンで調べながら話したこともあります。

でも、終わってみると、旅行者が喜んでくれたのは流暢な英語ではありませんでした。

「この電車に乗ればいい」

「ここでは靴を脱ぐ」

「このメニューなら辛くない」

「日本人はこういうとき、こうすることが多い」

そんな、ごく普通の日本人なら知っていることです。

本人にとっては当たり前のことでも、初めて日本へ来た人にとっては分からない。

それを、その場で気軽に聞けることに価値がありました。

ここで、

「英語がもっと上手になってから始める必要はなかったんだ」

と思えたそうです。

何組か案内すると、求められているものも見えてくる

最初は単純に「東京の街歩き」という形でした。

でも何組か案内していると、似たような質問をされることに気づきました。

「Suicaはどうやって使うの?」

「飲食店って予約しないと入れない?」

「日本ではチップを払わなくていいの?」

「コンビニで朝ごはんを買うなら何がおすすめ?」

「日本人が普通に行く店に行ってみたい」

特に、日本へ初めて来た旅行者からこうした質問が多かったそうです。

そこで、サービスの見せ方を少し変えました。

単なる街歩きではなく、

「東京が初めての人向け。最初の1日を一緒に歩くツアー」

にしたんです。

観光地をたくさん回ることよりも、旅行の最初に日本での過ごし方を知ってもらう。

電車に一緒に乗る。

飲食店で注文する。

コンビニやスーパーにも立ち寄る。

途中で、旅行中に困っていることがあれば聞いてもらう。

本人の英語力や経験にも合っていますし、旅行者にとっても目的が分かりやすくなりました。

現在は、週末だけ案内しています

平日は今も普通に会社へ行っています。

そのため、ツアーを受けるのは基本的に土日だけです。

毎週必ず予約を入れているわけではありませんが、少しずつレビューや紹介も増えてきて、月に数組を案内するようになりました。

最初の頃より料金も上げています。

案内するルートも決まり、よく聞かれる質問も分かってきたので、準備にかかる時間も減ってきました。

何より、本人自身がこの仕事をかなり楽しんでいます。

海外旅行が好きだったので、外国の人と話すこと自体が楽しい。

自分にとって普通だった東京の街を、外国人の視点で見ると新しい発見もある。

「今の会社の仕事より、こっちをやっているときの方が楽しいかもしれません」

と話すようになりました。

今は、副業から本業にできないか考えている

もちろん、今すぐ会社を辞めるつもりはありません。

週末だけ数組を案内する仕事と、生活費を全部まかなう仕事では、まったく違います。

だから今は、会社員を続けながら、少しずつこの仕事を育てています。

例えば、初めて日本へ来る人向けのツアーだけではなく、もう少しテーマを絞ったツアーも試しています。

日本のスーパーや商店街を回るツアー。

居酒屋で注文しながら日本の食文化を楽しむ夜のツアー。

一人旅の女性が安心して参加できる街歩き。

何が一番求められるのかは、実際にやりながら確認しています。

今後、予約が増え、平日にも安定して仕事が入るようになれば、会社員を辞めて、この仕事を本業にすることも考えています。

まだそこまで行ったわけではありません。

でも、最初は「週末に1回できればいい」と思って始めたものが、今では「これを仕事の中心にできないか」と考えるところまで来ています。

この副業は、過去の経験から生まれたわけではない

今回のケースは、これまで紹介してきた事例とは少し違います。

20年間の仕事経験から強みを見つけたわけではありません。

すでにやっていた副業を改善したわけでもありません。

先に見たのは、市場です。

外国人旅行者が多く訪れている。

街歩きやローカル体験にお金を払う人がいる。

そこに需要があるなら、自分が提供できるものはないか。

そこから考えました。

もちろん、何も持っていなかったわけではありません。

少し英語が話せた。

海外旅行が好きだった。

東京に住んでいた。

外国人と話すことへの抵抗がなかった。

でも、どれも単体では「特別なスキル」と言えるほどのものではありません。

それでも、需要のある市場と組み合わせることで、仕事になりました。

「何ができるか」だけから副業を考えなくてもいい

副業を考えるとき、

「自分には何ができるんだろう」

と考えるところから始める方は多いと思います。

でも、それだけが入り口ではありません。

今、どんな人が増えているのか。

何にお金が使われているのか。

どんなサービスが求められているのか。

そこを先に見て、

「この市場なら、自分にもできることはないだろうか」

と考える方法もあります。

今回の女性の場合、それがインバウンドでした。

英語が完璧だったから始められたわけではありません。

観光業のプロだったわけでもありません。

需要のあるところを見つけて、その中で自分が無理なくできるところまで小さくして始めた。

そして実際のお客さんの反応を見ながら、少しずつサービスを変えています。

僕が「副業づくりの時間」で一緒に考えたいのも、こういう副業の作り方です。

これまでの経験から考える方法もあります。

今やっていることを伸ばす方法もあります。

そして今回のように、需要のある市場から逆算して、自分ができる仕事を作る方法もあります。

最初から一生続ける仕事を決める必要はありません。

まず小さく始めてみる。

お客さんにお金を払ってもらう。

何を喜んでもらえたのかを見る。

そこから少しずつ、自分の仕事にしていく。

今回の女性も、まだ会社員です。

でも週末から始めた小さな仕事を、いつか自分の本業にできるように、少しずつ育てています。

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