スモールビジネス × AI

事例2026年6月17日

Webアプリのプロトタイプ制作が、個人にも届く時代になった

生成AIを使ってWebアプリのプロトタイプを作るイメージ

先日、ある上場企業様からWebアプリ制作についてご相談をいただきました。

詳しい内容は書けませんが、「こういう用途で、こんな感じのWebアプリを作りたい。まずはプロトタイプを作ってみてもらえませんか」というご依頼です。

最終的には、大手のアプリ開発会社さんや専門の開発チームに依頼される案件だと思います。

ただ、その前に「実際に画面として動かすと、どんな雰囲気になるのか」を早めに見たい。

関係者に説明するときにも、言葉や資料だけではなく、簡単に触れるものがあったほうが話が進みます。

今回のご依頼は、まさにそのためのプロトタイプ制作でした。

少し前なら、こういう仕事が個人に来ることはほとんどなかったと思います。

そもそも、Webアプリを作るとなると、要件定義をして、設計をして、デザインを作って、開発をして、テストをして、という大きな流れになります。

もちろん今でも、本番で使うアプリにはその工程が必要です。

ただ、「まだ本格開発に入る前に、雰囲気だけ知りたい」という段階では、そこまで大きく構えなくてもいい場面があります。

生成AIが出てきたことで、この最初の試作品づくりはかなり変わりました。

まず触れるものがあると、話が早い

Webアプリの相談では、最初からすべてが決まっていることはあまりありません。

どんな画面が必要なのか。

入力する項目は何か。

誰が使うのか。

スマホで使うのか、パソコンで使うのか。

管理者側の画面も必要なのか。

こういうことは、頭の中で考えているだけだと、なかなか見えません。

資料に書くこともできますが、資料だけでは「使ったときの感じ」までは伝わりにくいです。

一方で、簡単なプロトタイプがあると、話がかなり具体的になります。

「このボタンはここにあったほうがいい」

「この入力項目は多すぎる」

「実際の運用では、この順番だと困る」

「お客様側にはここまで見せなくていい」

こういう意見が出やすくなります。

つまり、プロトタイプは完成品ではありません。

本格開発に入る前に、考える材料を増やすためのものです。

AIで、試作品づくりの距離が近くなった

昔なら、Webアプリのプロトタイプを作るだけでもかなり手間がかかりました。

簡単な画面を作るにも、HTMLやCSS、JavaScriptを書き、必要ならデータの持ち方も考える。

見た目を少し直すだけでも、意外と時間がかかります。

僕自身、すべてをゼロから手作業で作る前提なら、今回のような相談には簡単に対応できなかったと思います。

でも今は、Codexのような制作向けのAIを使いながら進められます。

もちろん、AIに丸投げすれば良いものが出てくるわけではありません。

何を作りたいのか。

どこまで動けば十分なのか。

本番用ではなく、確認用として何を見せたいのか。

画面の流れとして、どこに違和感があるのか。

このあたりは、人が見て判断する必要があります。

ただ、AIがあることで、最初の画面を作る、動きを試す、言葉を変える、見た目を直す、という作業はかなり早くなりました。

「まず雰囲気を見たい」という段階なら、十分に役立つところまで短い時間で持っていけます。

大きな開発の前に、小さく確かめる

本番のWebアプリ開発は、決して軽い買い物ではありません。

費用も時間もかかりますし、関わる人も多くなります。

だからこそ、いきなり大きく作り始める前に、小さく確かめる意味があります。

プロトタイプを作ると、たとえば次のようなことが見えてきます。

  • 画面の数はどのくらい必要か
  • 利用者に入力してもらう情報は多すぎないか
  • 管理する側の作業は現実的か
  • スマホで使う前提にしたほうがいいか
  • 本当に必要な機能と、後回しでいい機能は何か
  • 開発会社に相談するとき、何を伝えればいいか

これらは、実際に少し作ってみると見えやすくなります。

プロトタイプの段階で気づけることが増えれば、本番開発に入るときの相談もしやすくなります。

「なんとなくこういうものが欲しいです」ではなく、「まずこの流れで試してみたところ、ここは必要で、ここは後回しでもよさそうです」と話せるからです。

これは、依頼する側にとっても、開発する側にとっても良いことだと思います。

個人に仕事が届く時代になった

今回のご相談をいただいて、改めてありがたい時代になったと感じました。

昔なら、こういう依頼はまず個人には来なかったと思います。

上場企業様のWebアプリ制作に関わる話となれば、なおさらです。

もちろん、僕が大規模な開発会社と同じことをするわけではありません。

本番運用のシステム開発、セキュリティ設計、保守運用、社内システムとの連携などは、専門の体制で進めるべき領域です。

ただ、その前段階として「まず触れるものを作って、社内で検討したい」というニーズはあります。

そこに個人が関われるようになったのは、生成AIの力がかなり大きいです。

そしてもう一つ、普段から小さなご依頼にもきちんと対応してきたことを見ていただけたのだと思っています。

仕事の大きさに関わらず、いただいた相談に対して、できることを考えて、必要なものを作り、前に進むように支える。

その積み重ねがあったから、今回のような話もいただけたのだと思います。

これは本当にありがたいことです。

ひとり社長の小さな相談も、同じように大事です

ここまで大きな企業様の話を書きましたが、僕が大切にしているのは、大きな案件だけではありません。

むしろ、普段から得意としているのは、ひとり社長さんや小さな事業者さんのサポートです。

Webアプリのプロトタイプと聞くと、自分には関係ない話に感じるかもしれません。

でも、考え方は同じです。

やりたいことがある。

ただ、まだ言葉だけでは伝えにくい。

何から手をつければいいか分からない。

大きな制作会社に頼むほど固まっていない。

まずは小さく作って、見ながら考えたい。

こういう場面は、ひとり社長さんにもたくさんあります。

たとえば、予約や申し込みの流れを見直したい。

お客様向けの簡単な診断フォームを作ってみたい。

サービス案内ページを作りたい。

社内や外部パートナーと共有するための管理表を、もう少し使いやすくしたい。

オンライン講座や相談サービスの導線を作りたい。

こういうことも、最初から大きく作る必要はありません。

まずは小さく試して、「これなら使えそう」「ここは違う」と確認すればいいと思います。

まとめ

生成AIが広がったことで、WebアプリやWebまわりの試作品づくりは、以前よりずっと身近になりました。

本格的な開発をする前に、まず触れるものを作ってみる。

画面を見ながら、必要な機能や不要な機能を考える。

関係者に説明し、開発会社に相談する前の材料にする。

こういう使い方は、企業にとっても、小さな事業にとっても役立ちます。

もちろん、AIがあるから何でも簡単に終わるわけではありません。

用途を聞き、必要なところを考え、画面や文章を見ながら直していく人の手は必要です。

ただ、その最初の一歩を個人でも支えられる時代になったことは、僕にとって大きな変化です。

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