
副業を始めたいと思っても、「自分には何ができるのだろう」と考え始めると、なかなか答えが出ません。
得意なこと。好きなこと。お金を払ってもらえそうなこと。
こう考えるほど、資格や分かりやすい実績がないと難しいように思えてきます。でも、自分にとって普通にできることは、自分では得意だと気づきにくいものです。
僕が副業について話を聞くときは、最初から「何を売りたいですか」とは聞きません。先に聞くのは、これまで人から頼まれたことです。
頼まれたことが、そのまま副業になるわけではありません。ただ、少なくとも誰かが困り、自分に声をかけた場面は実際にあります。何もないところから得意なことを考えるより、思い出しやすい入口です。
最近、人から頼まれたことを3つ書く
まずは、仕事でも私生活でも構わないので、人から頼まれたことを3つ書きます。
大きな仕事でなくても大丈夫です。「ちょっと教えて」「代わりに見てほしい」「一緒に考えて」と言われたことも含めます。無料で手伝ったことや、家族や友人から頼まれたことでも構いません。
思い出しにくいときは、最近のメッセージや予定表を見返します。頼まれた内容だけでなく、相手がどこで止まっていたか、自分が何をしたかまで書いてください。
| 人から頼まれたこと | 相手はどこで困っていたか | 自分がしたこと |
|---|---|---|
| 1. | ||
| 2. | ||
| 3. |
たとえば、友人から小さなイベントの案内文について相談されたとします。
「文章を書くのが得意」とだけ書くと、何を副業にできるのかはまだ分かりません。もう少し場面を分けてみます。
| 人から頼まれたこと | 相手はどこで困っていたか | 自分がしたこと |
|---|---|---|
| イベントの案内文を見てほしい | 日時や場所など、何から書けばよいか決められない | 必要な情報を聞き、書く順番を決め、案内文のたたき台を作った |
このように書くと、自分が渡したのは文章力だけではなく、「必要な情報を聞く」「順番を決める」「案内文にする」という手伝いだったことが分かります。
3つの中から、もう一度やってもよいものを選ぶ
3つ書けたら、その中から一つ選びます。
選ぶときに最初に見るのは、売れそうかどうかではありません。自分がもう一度頼まれても、やってみたいと思えるかです。
そのうえで、次の三つを見ます。
- どこまで手伝えば終わりなのかを決められる
- 一度だけでなく、別の人も同じところで困りそうだと思える
- 最初は一時間や一枚のメモなど、小さな範囲で試せる
反対に、勤務先の資料や顧客情報が必要なもの、資格がないと扱えないもの、自分が毎回つらいと感じるものは、最初の候補から外します。
ここで決めるのは、一生続ける仕事ではありません。一度、人に案内してみる候補です。最初から完璧な副業を選ぼうとすると、また何も書けなくなります。
選んだ一つを、三行の案内文にする
次に、選んだ頼まれごとを三行にします。
〇〇で困っている人へ。
△△を聞きながら、□□を一緒に作ります。
最初は、◇◇までお手伝いします。
先ほどの案内文の例なら、こう書けます。
小さなイベントの案内文を書きたいけれど、何から書けばよいか分からない人へ。
日時、場所、参加方法を聞きながら、案内文の順番を一緒に決めます。
最初は、60分の相談と案内文1本のたたき台までお手伝いします。
この段階では、立派なサービス名や長い紹介文は要りません。誰が何に困っていて、自分が何をし、どこまで渡すのかが読めれば十分です。
三行書けたら、その内容に近いことで困ったことがある人へ見せます。「買いますか」と聞くのではなく、「どの部分まで手伝ってもらえたら助かるか」を聞きます。
返ってきた答えを見て、相談だけでよいのか、あとで使えるメモまで必要なのかを直します。金額を考えるのは、かかる時間と渡すものが見えてからです。
得意なことは、頼まれた場面の中にある
副業のテーマは、珍しい資格や新しいアイデアから探さなければならないわけではありません。
自分では普通だと思っていることでも、誰かが止まっているところを進められたなら、そこに手伝えることがあります。
まずは、最近のメッセージを見返して、人から頼まれたことを3つ書く。そのうち一つを選び、三行の案内文にする。
今日決めるのは、完成した事業ではありません。誰かに見せて、話を聞ける最初の案です。
一人では思い出しにくい方へ
「副業のきっかけ相談室」では、いきなり副業の案を決めるのではなく、これまで人から頼まれたことや、続けてきたことを聞くところから始めます。